2008/5/25

mudan tensai genkin desu -yuki

昨日の反動なんでしょうか。起きたら11時でした。かなり寝てた。半日くらい寝まくってた。
寝る子は育つとは言うけれど限度がありそうなので気をつけよう。
リビングにいったらお父さんがTVゲームやってるだけだった。
「お兄ちゃんと俊樹は?」って聞いたら「二人ともでかけた」とのこと。そ、疎外感。
でもよく聞くとどうやら二人は別々に出かけたんだって。
お兄ちゃんには英語の宿題聞こうと思ってたし、俊樹は仲直りの為にも買出し手伝おうと思ってたのにな。
昼まで寝てた私が悪いですね。はい。

ともかく朝ごはんとお昼を兼ねて、私は焼きそばを作っちゃうとお父さんと二人で食べた。お母さんはこの時間習い事だし。
ちょっとだけ一緒にTVゲームをやると自分の部屋に戻る。明日までの宿題があるし、先やっちゃおう。
そう思った私は机の上にプリントを広げながら、でもついPCの電源を入れてしまった。
友達のブログを見て回り、昨日瀬戸君と一緒に見た映画のレビューもチェックしてみる。
私がいいな、って思ったところを知らない人もいいな、って言っているのも見るとちょっと嬉しいのは何でだろう。
何となくほくほくして―――― 最後に私は例のブログを見てみた。二日くらい見ていないしちょっと好奇心が疼いたのだ。
ブログにはまだお昼のせいか、今日の分は書かれてなかった。
でも私は見ていなかった二日分の内容を読んで…………その後美菜子にパニック状態で電話をかけることになってしまったのです。

「つまり、フユと瀬戸君は近々別れることになると、そういうこと?」
「まだ決まってないって! だって別に喧嘩も何もしてないもん!」
テーブルを叩く私に美菜子は白い目を向けた。
休日のファーストフード店はそれなりに混雑している。そんなところで自分の主張を力説したら、それは白い目で見られるよね。ごめんなさい。
でもそこは断固否定したいところなんだよ!
美菜子は自分のプリントに視線を戻しながら、ポテトを一本かじった。
「でもブログには付き合って1年半になる彼氏がいるって書いてあったんでしょ?
 それって今から半年後に付き合い始めるってことじゃん。つまり瀬戸君とはそれまでに別れる」
「ま、待ってって……」
「往生際悪いよ、フユ」
私はがっくりとテーブルの上に頭を落とす。
未来のことなんて何にもいいことが分からないくせに、悪いことは分かるなんて酷い話だよ。
あと半年までに別れるって……泣きそうです。初デートの翌日に何故か泣きそう。
「だけど前向きに考えてみれば? ブログだとその次だか次の次の彼氏と付き合って幸せそうなんでしょ?
 じゃあそれでいいじゃん」
「夢も希望もない気が」
「だって元々お試しで付き合ってるみたいなもんじゃん。別に別れてもいいでしょ」
「ひどっ!」
確かに私は瀬戸君のことあまり知らないし、出会ってからほとんど経ってないし、メール送っても返って来ることって滅多にないし、
……って言ってて悲しくなってきました。本当に泣いていい?
「でも、昨日も優しかったもん。不満ないよ」
「向こうにあるかもしれないじゃん。フユは世間知らずなところあるから」
「それ、弟にも言われた」
「さすが家族。よく知ってるね」
「…………」
何だか馬鹿な子を見る目で見られてる気がするよ。酷くないですか?
世間知らずかー。そうかもね。人を疑ってかかるのってあんまり好きじゃないし。
にしても、はぁ……。もし瀬戸君に何か不満を抱かせちゃってるとしたら謝りたいところです。
美菜子はいつの間にかポテトをシャープペンに持ち替えてプリントをやってる。私は全然進んでいない自分のプリントの方を眺めた。
それでこの話は無残にも打ち切られたと思ったら、英語の宿題をやりながらも考えていてくれたらしい。
美菜子はシャープペンの芯を足しながらその芯で私の顔を指した。
「だからさ。解決策としてはそのブログにコメントしてみればいいわけ。
 本当に未来の私ですか? って。違ったらそれですっきりするし、本当に自分だったら何で瀬戸君と別れたのか聞けばいいじゃん」
「そ、そうか! ……って抵抗あるよ!」
「じゃあ我慢すれば。両方取りは無理」
「うう」
どっちかを選ばなきゃいけないってことだよね。
ブログに向き合うか、気にしないでいるか。
美菜子の言うことも分かるんだけど、これは……決心が必要ですよ。
私は真剣に悩みながらポテトのつもりでシャープペンを咥えかけて―――― また白い目で見られた。

夕方に帰った私はもう一度あのブログを開いてみた。
ブログの「フユ」はもうすぐ誕生日だって楽しそうにしてる。
でも私は、やっぱり自分も誕生日が近いのにちっとも楽しくなくて、コメント欄を開いたまま、この人は一体誰なんだろう、ってずっと考えていた。